グレン・グルードによるバッハのゴールドベルク変奏曲ピアノ演奏(55年モノラル盤)です。今日中古で買ってきました。バッハが三拍子を多用して表現した三位一体の神への賛美であり祈りとしての曲が、軽快にそして美しくピアノで演奏されています。
グルードの地上における音楽の旅は、このゴールドベルクで始まり、そしてゴールドベルクで終わっています。
聞き比べると、山肌を勢い良く滑り落ちていた水が、ゆったりと懐広く流れる大河となったようです。
東日本大震災が起こってから、ちょうど4ヶ月が経った。
今日持たれた教師会の中で、既存のキリスト教会が牧師を招聘する際に、「即戦力」を求める傾向が強くなっているということが話題の中で語られた。
「即戦力」、つまり訓練や準備をしなくてもすぐに使える戦力。実はこの言葉こそ、3月11日に起こった東日本大震災が明らかにした、この国の問題の本質を、見事に言い当てた言葉ではないかと私は思う。
学校の教職員、会社の社員、国会の議員、病院の医師や看護士、福祉施設の介護士、そしてキリスト教会の教職者。
いかなる職業においても、即戦力を第一とした人材育成が行われる時、互いの未熟さの故に、必要以上の失敗、ミス、トラブルが多発し、大きな人災に至る。
しかし熟練した働き人であるならだれでも、数えきれないほど多くの失敗を犯し、多くの方々に多大な迷惑をかけ、多くの方々に本当にお世話になり、長い時間をかけてじっくりと育てられてきたはずだ。
かつてお山の大将であった荒削りの岩は、大河の流れの中で、ゆったりとした時間の中で、上流から中流、中流から下流へと下り、そして丸いきれいな石に変えられるのだ。
あなたもそのようにして育てられたからこそ今のあなたがあるはず。
これ以上、必要以上の被害者を出さないために、「即戦力」という言葉の持つ魅力にだまされないでほしい。
そしてあなたが受けてきたそのように、忍耐と寛容と親切をもって、後輩を、次世代の人材を、決して見捨てずに、すぐに見切らずに、暖かく育てることに携わっていだきたい。
きりん 遠い遠い海の果てから きりんは日本にやってきた 広い広い地平線の向こうから きりんは動物園にやってきた 初夏の南風が吹き抜けるサバンナで 背の高いきりんは のっしのっしと歩いていた 約束の大地 新しい大地への憧憬 … 続きを読む