原子力発電所問題に取り組むために

2011年4月28日更新

原子力発電所問題に取り組むためには、まず私たちの内にある問題(聖書では罪と呼ぶ)に向き合い、立ち向かわなければならない。私たちの内にある問題は、高慢、虚偽、怠惰という3つの形で表面化する。

1、高慢という罪
地位や権力やお金を手にして、なお高慢にならない人がいるだろうか。学歴や業績や経験によって、自分を他の人よりも優れていると思わない人がいるだろうか。そんな人はいない。その結果、自分を過信し、技術や科学を過信し、絶対安全だとか絶対大丈夫だという言葉を、癒着しながら大まじめに口にすることができるようになる。そのような高慢はどこから生じるのだろうか。そのような高慢は、自分が神になろうと試みるところから生じる。その高慢は、「神はいない。私は造られたわけでも生かされているわけでもない。」、「救い主など必要ない。私が救い主だ!私は自分で自分を救うことができる。」という最悪のレベル7に至る。しかし想定外の出来事が起こると、たちまち制御不能状態、コントロール不能状態に陥る。

さらに神に対する高慢は、他の人々に対する高慢でもある。すなわち「あんたなんかいなくても私は一人で生きていける」という高慢である。このような高慢が他者と共に生きることを拒絶し、不健全な個人主義をもたらしている。そのような高慢によって、背筋の凍るような孤独が広がっていく。実は孤独死問題もこのような高慢がもたらしている。

2、虚偽という罪
一度ウソをついてしまうと、そのウソを隠し続けるためにウソをつき続けなければならない。その結果、全部ウソだったということになる。一度もウソをついたことのない人がいるだろうか。そんな人はいない。何か問題が起こると、私たちは実に巧みな虚偽の言葉によって、自己正当化しながら誰かに責任転嫁をし、不都合な情報を隠蔽し、必死になって自己保身、責任逃れをすることしかできない。放射能は死の灰と呼ばれている。放射能が健康に良くて元気になれるというのは真っ赤なウソである。放射能が飲食や呼吸によって体内に取り込まれ、内部被曝状態になれば、確実に肉体と遺伝子情報を破壊していく。特に妊婦や乳幼児が影響を受けやすい。

3、怠惰という罪
楽をして怠けたいと思わない人がいるだろうか。自分さえ安全で豊かな人生を生きることができたら、他の人がどうなってもかまわないと思わない人がいるだろうか。そんな人はいない。その結果、自分はきつい仕事から逃げ、危険な仕事や職場からも逃れ、できるだけ楽で収入の多い仕事を慕い求めることになる。ひと度甘い汁を吸い始めたら、もうやめられないだろう。チェック機関がきちんとした安全確認を怠るなら、複雑な構造を持つ巨大な原子力プラントが大事故を起こすのは時間の問題となる。

★結論と適用
実に私たちの内にある同じ問題が、原子力発電所とその社会システム全体(政府、政治家、官僚、学者、原子力安全・保安院、電力会社、顧客、地域住民)を生み出し、危険な暴走を肯定し続け、原発震災をもたらすのである。そして福島原発や柏崎刈羽原発で作られた電気は、その地方で使われることなく首都圏へ長距離送電線で送られて来る。首都圏において豊かに電気を消費しながら生活している者が、原子力問題を避けて通ることはできない。

しかし私たちの内にある罪と言う名の問題、すなわち高慢、虚偽、怠惰に、自分の力で打ち勝つことのできる人がいるだろうか。そんな人はひとりもいない。

私たちの内にある問題、高慢、虚偽、怠惰に打ち勝つためには、それらに謙遜、真実、忠実によって打ち勝ってくださった勝利者である主イエス・キリストを信じて受け入れ、聴く祈りによって聖書に親しみ、熱心に求める祈りによって聖霊に満たされ続け、キリストと共に生き続ける以外にない。

お勧めの本「原子炉時限爆弾ー大地震におびえる日本列島」

原子力発電に賛成の方も反対の方も、ぜひお読みになってください。日本における原子力発電の是非を問うためには、必読の書です。

以下本文より。

科学的・論理的に考えれば、周期的に到来する東海大地震は間違いなく起こることであり、これを否定する人間は、電力会社にも一人もいない。その時に、浜岡原発が破壊され、取り返しのつかない末期的な大事故が起こる可能性は、ほぼ百パーセントと言ってよい。これは、時限爆弾の爆発を待っている、ということになる。私たちに分らないのは、その時限爆弾が、いつ爆発するようセットされているか、その時刻だけなのである。

私が原発に反対する理由その6:原発を停止するためなら喜んで節電しますが、実は原発を止めても電気は十分足りるから

私が原発に反対する理由その6:原発を停止するためなら喜んで節電しますが、実は原発を止めても電気は十分足りるから

火力発電と水力発電だけで、十分最大電力をまかなえます。安全でない原発がなくても、電気は大丈夫なはずです。

その根拠は、例えば以下のような電力会社の長期ビジョンにあります。電力会社が、オール電化キャンペーンや電気自動車キャンペーンによって需要を増やさなければならないほど、電気は十分足りているのです。

中部電が長期ビジョン、電力需要低下に危機感(日本経済新聞 2011/2/25より引用)

中部電力が初めて策定した長期の経営ビジョンは、地盤である中部地方で電力需要が将来減少に転じることへの危機感がにじむ内容となった。人口減少など構造変化に備え、家庭や工場での電化推進などで新たな需要を創出し、海外投資を大幅に上積みして収益源に育てる考えだ。…

構造的な需要減を食い止めるため、「ビジョン」では30年までに現在の販売電力量の15%分に相当する200億キロワット時の需要を創出する方針を明記。オール電化の推進や電気自動車の普及などに取り組む考えだ。

私が原発に反対する理由その5:原発、再処理工場、高速増殖炉等からの良質なウランやプルトニウムは核爆弾に利用される危険がある

私が原発に反対する理由その5:原発、再処理工場、高速増殖炉等からの良質なウランやプルトニウムは核爆弾に利用される危険がある

日本各地の原発、青森六ヶ所村の再処理工場、もんじゅなどの高速増殖炉などからは、良質なウランやプルトニウムを生み出すことが可能です。これらは原爆のような核爆弾に利用される危険が十分にあります。なぜなら日本の技術力は、核実験をしなくても確実に起爆できる核爆弾を造ることが可能なほどレベルが高いからです。

この国は、世界で唯一、原子爆弾の恐ろしさを体験を通して知っているはずです。本気で戦争反対、核廃絶、ノーモア広島、ノーモア長崎を考えるからこそ、私は原発に反対する側に立っています。

私が原発に反対する理由その4:原発はお金のばらまきによって地域社会を不健全にするから

私が原発に反対する理由その4:原発はお金のばらまきによって地域社会を不健全にするから

いくら金をもらって道路や施設が良くなっても、豊かになったとは思わない。心が貧しくなっている。

・・・この町には自助努力ということがなくなってしまった。何かと言うと中電にねだればいいとか、プルサーマルやってお金をもらえばいいとか。うちの娘が小学生の時の話だけど、いたずら小僧がけんかして学校の窓ガラスを割っちゃったらしい。それで先生が怒ったら、その子は「いいじゃん、先生。中電に言えばすぐ直してくれる」と言ったと娘が話してくれた。「ああ、親がそういうふうに言ってるんだな」と思って情けなかった。

浜岡原発の危険 住民の訴え 実践社 より