大震災報道映像の違和感

この違和感は何だろうか。

まるで映画のようだが、映画の映像でもない。

リアルだけどリアルさがない。

この国で現実に起こっていることなのに、現実味がない。

なぜか。

それは、報道映像では一人の遺体も、一人の死につつある人も、決して画面に現れないから。

映画であれば、人が死んでいくシーンや数えきれない遺体が、これでもかと露骨に画面にクローズアップされるのに。

巧みにリアルを切り取って編集された報道映像は、もはや仮想現実・バーチャルリアリティでしかない。

生身の人間の無力さ、死という現実、魂の叫び。

そういったリアルを巧みに覆い隠した、血の通わない仮想現実・バーチャルリアリティでしかない。

JKTS被災地へ医療スタッフとして行かれた方のブログ