支援宣教区制による国外宣教の新支援体制を考える
日本同盟基督教団 国外宣教委員 野町真理(杉戸キリスト教会牧師)
私たち日本同盟基督教団の素晴らしさは、日本とアジアと世界に仕える教団として形成されていることである。それは私たち日本同盟基督教団が、聖書信仰、宣教協力、そして合議制を三本柱としていることに基づいている。
聖書信仰
私たち日本同盟基督教団の素晴らしさは、まず聖書信仰にある。 新旧約聖書66巻の聖書は、一貫して全世界を視野に入れ、全世界を畑としている。
旧約聖書において、創世記12章に記されたアブラハムへの祝福は、全世界のすべての国民の祝福の基とされるという約束であった。星の数ほどの、だれにも数えきれない全世界のすべての国民の救いの先駆けとして、イスラエルは先に選ばれたのである。
新約聖書において、真の人となられた生ける真の神主イエス・キリストは、十字架と復活によって救いを完成された後、聖霊を一人一人に与えてくださった。そして主は聖霊によって、エルサレムからユダヤ・サマリアへ、そして地の果てにまで世界宣教する教会を形成される。出て行って仕え、みことばを教えて、あらゆる国の人々をキリストの弟子とする。それが地域教会、宣教区、そして教団に託された使命であると聖書は教えている。
日本同盟基督教団が、聖書を唯一絶対の規範とする聖書信仰に立つならば、遣わされている地域(宣教区)がエルサレムであり、そこからユダヤ・サマリア(国内・アジア)へ、そして地の果て(世界)を目指す必要がある。
初代エルサレム教会がそうであったように、私たちは内向き思考になりやすい。けれども、宣教の主である主イエスは、時に迫害を起こしてでも人々を外へと散らし、言葉や文化の壁を超えて世界宣教に生きる教会として私たちを用いてくださる。
宣教協力
第二に私たち日本同盟基督教団の素晴らしさは、宣教協力にある。私たち日本同盟基督教団は、国内外において宣教の使命を果たすために、十字架のもとに力を合わせて宣教協力する教団である。特に国外宣教の働きは、教団レベル、そして宣教区レベルの宣教協力がなければ、成し遂げることはできない。
国外宣教は、後回しにされ、最後の働きになることが多いかもしれない。しかし国外宣教こそ宣教協力における最高の働きである。なぜなら国外宣教こそ、私たちの救いの原点なのだから。誰かが海を渡ってこの国に赴き、外国語を覚え、外国語に聖書を翻訳し、外国語でみことばを教えてくださったからこそ、今の私たちがあり、日本国内の教会があり、そして日本同盟基督教団がある。
合議制
第三に私たち日本同盟基督教団の素晴らしさは、合議制にある。合議制とは、理事会、地域教会、担任教師の三者が合議を行うことによって教職人事を進め、教団を形成するシステムである。合議制は、地域教会や担任教職の破れ口に立ってとりなし、教団を形成していく大切な役割を担っている。
地域教会と教師という二者合議制による教団を考えるならば、日本同盟基督教団が柱の一つとしている三者合議制の素晴らしさが見えてくる。もし二者合議制において、何らかの理由で地域教会と教師との間の信頼関係が失われた場合、教師はその教会を辞任するだけでなく、教団からも退団することになりかねない。
即戦力が求められる今日において、地域教会は即戦力となる教職を求めやすいが、一人の教職が成熟していくには時間がかかる。そのような破れ口においても、三者合議制であれば、理事会の配慮による適材適所の人事によって、地域教会も若手教職も守り育て、健全な教会と教団を形成していくことが可能となる。その際、宣教区における役務者会の役割も大切となる。
宣教が困難な地域における教会形成においては、それぞれの地域教会が各個教会として孤立した働きを余儀なくされる場合がある。この場合にも、試練の中で残る実を結んでいくためには、教師養成プロセスを確立するとともに、三者合議制による教団形成をしていくことが必要だと考えられる。