聖書的環境論序説 神と土と人(水草修治)
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*聖書的環境論序説 神と土と人(水草修治) [#u08718df]
注:この原稿は東京基督神学校紀要『基督神学』第十二号(二○○...
#contents
>「その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻に...
六年前から筆者は信州南佐久郡の山里で伝道に携わることに...
本稿で筆者は、第一章で「神と土と人」との本来的関係を、...
本稿はおそらく専門家の「神学論文」の枠をはみでた内容と...
*1.神は人を土から創造し土地を耕させた [#i20bac77]
**(1)人。偉大にして卑小なる存在 [#r96431bb]
>「その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻に...
我々はこのみことばから、人の尊厳と人の卑小とをあわせて...
これら二側面ある人間の片面のみを知ることは有害である。...
しかし、人間の神に似せられたゆえの尊厳と土から造られた...
「人間にその偉大さを示さないで、彼がいかに禽獣にひとし...
**(2)人の任務「地を耕し、守る」 [#a4ddea8a]
神が人間に与えた任務はなにか。創世記一章は「地を支配せ...
けれども、こうした主張はあまりに素朴で、非現実的、幻想...
創世記一章の「地を支配せよ」「地を従えよ」ということばは...
人が地を「支配し、従える」ことの内容とは、園を「耕し、...
それを裏書きするように、創世記二章五節は言う。「地には...
なお、新共同訳は、人が耕さないから木も草も生えないとい...
他方、「守る」ということばは、農業という産業には、単に...
たとえば家畜の糞尿や生ゴミは堆肥化されれば、やがて作物...
このように、「耕し、守る」農業には食糧生産のみならず環...
**(3)食べること [#q1c0cdff]
地を耕し、地を守ることと関連して命じられるのは、食につ...
何を食べてよいかについての聖書的な原則は、神が許し給う...
旧約の律法においては食べ物にさまざまな制約があったが、...
*2.人の罪ゆえに、土地は呪われ、人は土地に呪われる [#f91...
**(1)人と土地は敵対関係に・・・創世記第三章 [#s55d3c6e]
人類は始祖アダムにあって、神の戒めに背き、その結果、神...
土地はどうなったか。「土地は、あなたのゆえに呪われてし...
**(2)都市文明・・土地に疎外され土地を疎外する・・・・...
アダムの子カインは、土地に弟アベルの血を流した。神は言...
土地に呪われたカインは、主の御顔の前から去って、エデン...
創世記第四章末尾には、カイン一族の華々しい「この世の都...
ちなみに「エノシュ」という名は、「アーナシュ」つまり「...
以上、創世記第四章の記述において注目すべきことは、神を...
むろん、文明のもろもろの利器はカイン族のうちにとどまら...
特に、「神と土と人」という主題から都市文明という問題を...
*3.二十一世紀の食と農:それでは、いかに生きるべきか? [...
最後の章で筆者の図するところは、聖書における「神と土と...
主の再臨が延ばされて、もし二十一世紀があるとすれば、人...
**(1)全被造物の贖いのヴィジョン [#k01314c8]
>「今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようと...
>「しかし、私たちは、神の約束に従って、正義の住む新しい天...
聖書に啓示された再臨のキリストが終局的にもたらす救済と...
今、我々が置かれているのは、キリストにある贖いが「すで...
**(2)近代農法の問題性 [#paaf3cc7]
二十一世紀、人類がかならず直面しなければならない問題は...
しかし、現在、慣行農法と呼ばれている工業化された農業に...
大規模・単作・機械化・化学農法が導入された当初、もっと...
かつての世界各地の肥沃な地帯が、今日ではもはや作物のた...
また単作によって同じ作物をつくり続けたために、土壌中の...
化学肥料のアンモニア臭は害虫を呼ぶので、さらに農薬の大...
以上のように、かつて「緑の革命」と賞賛された近代的化学...
**(3)遺伝子組み替え作物の問題性 [#rf258d09]
さらに、遺伝子組み換え作物の問題性についても、ここでご...
たとえば、除草剤耐性大豆とはすべての雑草を枯らす強力な...
昨年一九九八年八月英国ローエット研究所のパズダイ博士は...
聖書を信じる我々としては、遺伝子組み換え作物の健康に対...
**(4)「耕し、守る」農業を [#wcd906ca]
神が我々に期待したまう農業とはどういうものであるか。そ...
「一九七一年に創設された日本有機農業研究会に集う私たち...
農業技術面については、良質の堆厩肥を入れ続けて地力が回...
しかも、有機農業は天候不順なときにも慣行農業に比べて病...
少々、解説を加える。有機農業とは「土つくり」の農業であ...
さらに、有機農業は、化学肥料や農薬による土壌や河川の汚...
**(5)人本来の食の回復 [#oefe8897]
食糧大増産がかなわなくても、世界の飢餓は解決できる。食...
ちなみに、人間が本来、穀物菜食を基本とすべき生物である...
ところで、日本でガンが死亡原因の第一位になって久しいが...
創造の本来の姿と大洪水後の肉食公認の出来事をかんがみる...
*結びに代えて [#d7768df0]
修道院の日課には伝統的に農業労働が含まれている。筆者は...
また、アジアへ宣教のビジョンを掲げる東京キリスト教学園...
*注 [#xf72e363]
(1)ハイネ『ドイツ古典哲学の本質』第二版序文(岩波文庫...
(2)Cf.F.Schaeffer,Pollution and the Death of Man,the C...
(3)井上ひさし『コメの話』新潮文庫、参照。
(4)J.エリュール『都市の意味』すぐ書房p33、p29...
(5)アウグスティヌス『神の都』15:8参照。なおcivitasは国...
(6)T.E.Maccomiskey,Theological Wordbook of OT,Moody,p5...
(7)O.ハレスビー『祈り』聖文舎
(8)ジョセフ・クラッツマン『過剰人口』農文協p33
(9)ヴァンダナ・シヴァ『緑の革命とその暴力』浜谷君子訳...
(10)天笠啓祐「遺伝子組み替え食品と、その問題点は?」...
(11)津川タキ「遺伝子組み替え技術の破綻」『土と健康』...
(12)『有機農業ハンドブック』(農文協、一九九九年)序文
(13)小池星二「有機農業を成功させるために」一九九九年
(14)古守豊甫「長寿村、短命化の教訓」『土と健康』三○二...
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*聖書的環境論序説 神と土と人(水草修治) [#u08718df]
注:この原稿は東京基督神学校紀要『基督神学』第十二号(二○○...
#contents
>「その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻に...
六年前から筆者は信州南佐久郡の山里で伝道に携わることに...
本稿で筆者は、第一章で「神と土と人」との本来的関係を、...
本稿はおそらく専門家の「神学論文」の枠をはみでた内容と...
*1.神は人を土から創造し土地を耕させた [#i20bac77]
**(1)人。偉大にして卑小なる存在 [#r96431bb]
>「その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻に...
我々はこのみことばから、人の尊厳と人の卑小とをあわせて...
これら二側面ある人間の片面のみを知ることは有害である。...
しかし、人間の神に似せられたゆえの尊厳と土から造られた...
「人間にその偉大さを示さないで、彼がいかに禽獣にひとし...
**(2)人の任務「地を耕し、守る」 [#a4ddea8a]
神が人間に与えた任務はなにか。創世記一章は「地を支配せ...
けれども、こうした主張はあまりに素朴で、非現実的、幻想...
創世記一章の「地を支配せよ」「地を従えよ」ということばは...
人が地を「支配し、従える」ことの内容とは、園を「耕し、...
それを裏書きするように、創世記二章五節は言う。「地には...
なお、新共同訳は、人が耕さないから木も草も生えないとい...
他方、「守る」ということばは、農業という産業には、単に...
たとえば家畜の糞尿や生ゴミは堆肥化されれば、やがて作物...
このように、「耕し、守る」農業には食糧生産のみならず環...
**(3)食べること [#q1c0cdff]
地を耕し、地を守ることと関連して命じられるのは、食につ...
何を食べてよいかについての聖書的な原則は、神が許し給う...
旧約の律法においては食べ物にさまざまな制約があったが、...
*2.人の罪ゆえに、土地は呪われ、人は土地に呪われる [#f91...
**(1)人と土地は敵対関係に・・・創世記第三章 [#s55d3c6e]
人類は始祖アダムにあって、神の戒めに背き、その結果、神...
土地はどうなったか。「土地は、あなたのゆえに呪われてし...
**(2)都市文明・・土地に疎外され土地を疎外する・・・・...
アダムの子カインは、土地に弟アベルの血を流した。神は言...
土地に呪われたカインは、主の御顔の前から去って、エデン...
創世記第四章末尾には、カイン一族の華々しい「この世の都...
ちなみに「エノシュ」という名は、「アーナシュ」つまり「...
以上、創世記第四章の記述において注目すべきことは、神を...
むろん、文明のもろもろの利器はカイン族のうちにとどまら...
特に、「神と土と人」という主題から都市文明という問題を...
*3.二十一世紀の食と農:それでは、いかに生きるべきか? [...
最後の章で筆者の図するところは、聖書における「神と土と...
主の再臨が延ばされて、もし二十一世紀があるとすれば、人...
**(1)全被造物の贖いのヴィジョン [#k01314c8]
>「今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようと...
>「しかし、私たちは、神の約束に従って、正義の住む新しい天...
聖書に啓示された再臨のキリストが終局的にもたらす救済と...
今、我々が置かれているのは、キリストにある贖いが「すで...
**(2)近代農法の問題性 [#paaf3cc7]
二十一世紀、人類がかならず直面しなければならない問題は...
しかし、現在、慣行農法と呼ばれている工業化された農業に...
大規模・単作・機械化・化学農法が導入された当初、もっと...
かつての世界各地の肥沃な地帯が、今日ではもはや作物のた...
また単作によって同じ作物をつくり続けたために、土壌中の...
化学肥料のアンモニア臭は害虫を呼ぶので、さらに農薬の大...
以上のように、かつて「緑の革命」と賞賛された近代的化学...
**(3)遺伝子組み替え作物の問題性 [#rf258d09]
さらに、遺伝子組み換え作物の問題性についても、ここでご...
たとえば、除草剤耐性大豆とはすべての雑草を枯らす強力な...
昨年一九九八年八月英国ローエット研究所のパズダイ博士は...
聖書を信じる我々としては、遺伝子組み換え作物の健康に対...
**(4)「耕し、守る」農業を [#wcd906ca]
神が我々に期待したまう農業とはどういうものであるか。そ...
「一九七一年に創設された日本有機農業研究会に集う私たち...
農業技術面については、良質の堆厩肥を入れ続けて地力が回...
しかも、有機農業は天候不順なときにも慣行農業に比べて病...
少々、解説を加える。有機農業とは「土つくり」の農業であ...
さらに、有機農業は、化学肥料や農薬による土壌や河川の汚...
**(5)人本来の食の回復 [#oefe8897]
食糧大増産がかなわなくても、世界の飢餓は解決できる。食...
ちなみに、人間が本来、穀物菜食を基本とすべき生物である...
ところで、日本でガンが死亡原因の第一位になって久しいが...
創造の本来の姿と大洪水後の肉食公認の出来事をかんがみる...
*結びに代えて [#d7768df0]
修道院の日課には伝統的に農業労働が含まれている。筆者は...
また、アジアへ宣教のビジョンを掲げる東京キリスト教学園...
*注 [#xf72e363]
(1)ハイネ『ドイツ古典哲学の本質』第二版序文(岩波文庫...
(2)Cf.F.Schaeffer,Pollution and the Death of Man,the C...
(3)井上ひさし『コメの話』新潮文庫、参照。
(4)J.エリュール『都市の意味』すぐ書房p33、p29...
(5)アウグスティヌス『神の都』15:8参照。なおcivitasは国...
(6)T.E.Maccomiskey,Theological Wordbook of OT,Moody,p5...
(7)O.ハレスビー『祈り』聖文舎
(8)ジョセフ・クラッツマン『過剰人口』農文協p33
(9)ヴァンダナ・シヴァ『緑の革命とその暴力』浜谷君子訳...
(10)天笠啓祐「遺伝子組み替え食品と、その問題点は?」...
(11)津川タキ「遺伝子組み替え技術の破綻」『土と健康』...
(12)『有機農業ハンドブック』(農文協、一九九九年)序文
(13)小池星二「有機農業を成功させるために」一九九九年
(14)古守豊甫「長寿村、短命化の教訓」『土と健康』三○二...
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