香港2020福音宣言

香港2020福音宣言

第一項 イエス・キリストこそ、福音そのものである。

 イエス・キリストは救い主、王であり、そして福音の土台である(マルコによる福音書1・1)。この福音は、神の国の到来と現臨、また罪と悪の闇の力に対する勝利を宣言し、それによって世界のすべてのものに変革をもたらす。したがって、この福音は、単に死後における個人の魂の救いだけに関するものではなく、御国の到来、世の闇の根絶、悪の権威の打倒に関するものでもある。さらにこの福音は、今ここにある世の命を配慮し、癒し、保護するものであり、また人類の政治的解放と社会的配慮にまでおよぶ、具体的で行動的、かつ全包括的なものである。

第二項 イエス・キリストこそ、教会の唯一の主である。

 教会はキリストの体であり、頭であるキリストに連なり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場である(エフェソの信徒への手紙1・23)。したがって、教会は、最終的には、地上のいかなる政治的・経済的支配者や権力者に服従するにもまして、天の御国の王であり救い主であるキリストのみに服従し、忠実でなければならない。教会はこの世のいかなる権力にも依り頼んで存続を図ってはならず、またそれらによって支配されてはならない。特に、経済発展が他のあらゆることよりも優先されてしまいがちな香港社会において、教会は歴史を鑑とし、すべての偶像を拒否しなければならない。教会は、主イエスの「あなたがたは神と富(マモン)とに仕えることはできない」という教えと、「十戒」第一戒「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない」という御言葉を心に刻み、これに生きなければならない。教会はイエス・キリストのほかに救いはないことを、確信するからである。