A Tale of Three Kings - A study in brokenness by Gene Edwards
ジーン・エドワーズ著 油井芙美子訳 あめんどう(2002年5月) 1,400円+税
旧約聖書の中には、預言者、祭司という立場の指導者と共に、王という立場の指導者が何人も登場する。サムエル記、列王記、歴代誌は、王たちのたちふるまいや世代交代の様子を赤裸々に語っている。また、詩篇の中には、ダビデの賛歌がたくさん収められていて、魂の叫びとしての祈りや賛美を聞くことが出来る。
歴代の王たちは、神に選ばれて立てられた指導者でありながら、それぞれに人間的な弱さを持ち、様々な人間関係の中で、大きな過ちを犯したりもした。時に王たちは、神から離れることによって、とても神に油注がれた者であるとは思えない歩みもしたのである。そしてそれ故に、多くの者が深く傷つき、苦悩することにもなった。
イスラエル最初の王となったのはサウル王、そして二代目はダビデ王であった。そしてダビデの子アブシャロムも、三代目の王となった時期があった。
本書は、この3人の王たちの生き様を生き生きと描いている。苦しみがもたらす、砕かれた魂は美しいことを、味わい深く読むことができる良書である。
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野町 真理