この本を読んで、最も心の内に残ったものは、
3代に亘るバラ・マカルピン宣教師の日本伝道に対する燃えるような宣教スピリットである。
とても心が燃やされ、これからの伝道者としての生き方の一つの良き見本であると受け止めた。
また、ある伝道師の先輩が私にアドバイスして下さった、
「伝道者は伝道することによってのみ、人々から尊敬を受ける」
という言葉を思い出し、改めて心に刻むことが出来た。
教会が偏見と誤解の中で信頼をかちえて、土着の人々の入信がなされていった理由は、
これらの宣教師たちが、よき信仰とよき生活の証しに生きられたと言うことに尽きると思う。
しかし、見えるものの度合いによってキリストへの信仰の軽重を量る世俗主義や天皇を主とする国家主義に、
いつしか支配された日本のキリスト教会の姿をも見ることが出来た。
その中で、異国の宣教師たちは名利を捨て、ただ主のために黙々と農山村の人々を相手に宣教の業に励んだ。
そのような宣教師たちに心を開いて、福音に接した多くの人々は、農村に根付いて教会建設の土台となった。
私は高知県で生まれ育った。
そしてこの9年間は豊橋に住み、後半4年間は名古屋の東海聖書神学塾に週3回、
名鉄と市電を乗りついで片道1時間40分かかる距離を通った。
高知、豊橋、名古屋。
いずれの土地における宣教も、この本の中に多くの紙面を割いて書かれてあった。
そして私の郷里において、かつて伝道集会に1000人の聴衆が集まり、
600名を越す教会が建てられていたという事実は、私にとって大きな励ましとなった。
現代社会は、かって宣教師たちが宣教した時代とは比べ物にならないほど、
交通機関、通信網が地球規模で整備されている。
どこに遣わされたとしても、遣わされた地域教会において、マイチャーチ主義、教団主義ではない、
教団教派を超えた、世界を視野に入れた宣教をし続ける伝道生涯を歩んでいきたい。
(これは2000年11月4日に書いた文章です。)
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野町 真理