NEW! 2004年 5月 9日
豊橋ホサナキリスト教会・住吉チャペル
主日(母の日)礼拝式メッセージ
(野町 真理)
7:1 大祭司は、「そのとおりか。」と尋ねた。
7:2 そこでステパノは言った。
「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父祖アブラハムが、
カランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現われて、
7:3 『あなたの土地とあなたの親族を離れ、わたしがあなたに示す地に行け。』と言われました。
7:4 そこで、アブラハムはカルデヤ人の地を出て、カランに住みました。
そして、父の死後、神は彼をそこから今あなたがたの住んでいるこの地にお移しになりましたが、
7:5 ここでは、足の踏み場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。
それでも、子どももなかった彼に対して、
この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。
7:6 また神は次のようなことを話されました。
『彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待される。』
7:7 そして、こう言われました。『彼らを奴隷にする国民は、わたしがさばく。
その後、彼らはのがれ出て、この所で、わたしを礼拝する。』
7:8 また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。
こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。
それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。
7:9 族長たちはヨセフをねたんで、彼をエジプトに売りとばしました。しかし、神は彼とともにおられ、
7:10 あらゆる患難から彼を救い出し、エジプト王パロの前で、恵みと知恵をお与えになったので、
パロは彼をエジプトと王の家全体を治める大臣に任じました。
7:11 ところが、エジプトとカナンとの全地にききんが起こり、大きな災難が襲って来たので、
私たちの先祖たちには、食物がなくなりました。
7:12 しかし、ヤコブはエジプトに穀物があると聞いて、初めに私たちの先祖たちを遣わしました。
7:13 二回目のとき、ヨセフは兄弟たちに、自分のことを打ち明け、
ヨセフの家族のことがパロに明らかになりました。
7:14 そこで、ヨセフは人をやって、父ヤコブと七十五人の全親族を呼び寄せました。
7:15 ヤコブはエジプトに下り、そこで彼も私たちの先祖たちも死にました。
7:16 そしてシケムに運ばれ、
かねてアブラハムがいくらかの金でシケムのハモルの子から買っておいた墓に葬られました。
今日は母の日ですが、ここに集っておられる方の中には、母親になるという経験をされた方も、そうでない方もいらっしゃると思います。私もそうですが、もしあなたが男性であるならば、もちろんひっくり返っても、母になるという経験をすることは出来ません。けれども、今日ここに集められたすべての方には、お腹を痛めてあなたを産んで下さったあなたの母親がおられるはずです。
さて、今日から読み進めていく使徒の働き7章には、使徒の働きの中で、一番長い説教が記されています。この説教では、アブラハムから始まってソロモン王まで。創世記から始まって列王記までの内容が次々と語られています。だれがそんな長い説教を語ったのかといいますと、ステパノという名前の方です。とても長いので、これを4回に分けて、ご一緒に耳を傾けていきたいと思っています。4回に分ける理由は、「あの説教いつ終わるの?」と言われないためです。まず今日は1回目ですが、今日は、「約束を守られる神」という題で説教させて頂きます。
今日は使徒の働き7章の1節から16節までを読んで頂きましたが、実はここには、創世記11章から50章までに記されている内容が簡潔にまとめられています。
アブラハム−イサク−ヤコブ(イスラエル)−12人の族長たち(特にヨセフ)
かなりの紙面を割いて中心的に紹介されている3人は、アブラハムとヤコブ(イスラエル)、そしてヨセフ。
ステパノの説教のキーワードは地名(土地の名前)。地理的な場所。土地に関する約束
「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父祖アブラハムが、
カランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現われて、
7:3 『あなたの土地とあなたの親族を離れ、わたしがあなたに示す地に行け。』と言われました。
7:4 そこで、アブラハムはカルデヤ人の地を出て、カランに住みました。
そして、父の死後、神は彼をそこから今あなたがたの住んでいるこの地にお移しになりましたが、
7:5 ここでは、足の踏み場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。
それでも、子どももなかった彼に対して、
この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。
ステパノがまず語るのは、旧約聖書、創世記の中に記されている、アブラハムという人物です。実はアブラハムという方は、世界中のいろいろな方々から、「信仰の父」と呼ばれている人物です。ユダヤ教徒も、イスラム教徒も、また私たちキリスト教徒も、このアブラハムを「信仰の父」と呼んでいます。
アブラハムはもともとアブラムという名前でしたが、後に神様から「多くの国民の父」という意味のアブラハムという名前を与えられたのです。イエス・キリストも実はこのアブラハムの子孫なのです。
アブラハムは、ユーフラテス川の川下のウルという町に生まれ育ち、そこから川上にあるカランに移り住みました。ウルもカランも月を神様として礼拝する宗教が盛んに行われていました。ヨシュア記にはアブラハムのお父さんテラも本当の神様ではない他の神々、偶像に使えていたと記されています。おそらくアブラハムも、お父さんに連れられて、偶像の神様を拝んでいたのではないかと思います。 アブラハムに栄光の神からの呼びかけがありました。栄光の神は、みことばによってアブラハムを多くの国民の父として選ばれました。
「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。…(創世記12:1-2)」
アブラハムは、この神様の約束を信じて、妻のサライ、おいのロト、財産、人々をたずさえてカランから約束の地カナンへと旅立って行きました。アブラムが75歳の時、妻のサライはアブラムより10歳年下でしたから65歳の時でした。サライは不妊の女で旅立つ時も子どもがいませんでした。
7:6 また神は次のようなことを話されました。
『彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待される。』
7:7 そして、こう言われました。『彼らを奴隷にする国民は、わたしがさばく。
その後、彼らはのがれ出て、この所で、わたしを礼拝する。』
7:8 また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。
こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。
それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。
7:9 族長たちはヨセフをねたんで、彼をエジプトに売りとばしました。しかし、神は彼とともにおられ、
7:10 あらゆる患難から彼を救い出し、エジプト王パロの前で、恵みと知恵をお与えになったので、
パロは彼をエジプトと王の家全体を治める大臣に任じました。
7:11 ところが、エジプトとカナンとの全地にききんが起こり、大きな災難が襲って来たので、
私たちの先祖たちには、食物がなくなりました。
7:12 しかし、ヤコブはエジプトに穀物があると聞いて、初めに私たちの先祖たちを遣わしました。
7:13 二回目のとき、ヨセフは兄弟たちに、自分のことを打ち明け、
ヨセフの家族のことがパロに明らかになりました。
7:14 そこで、ヨセフは人をやって、父ヤコブと七十五人の全親族を呼び寄せました。
7:15 ヤコブはエジプトに下り、そこで彼も私たちの先祖たちも死にました。
7:16 そしてシケムに運ばれ、
かねてアブラハムがいくらかの金でシケムのハモルの子から買っておいた墓に葬られました。
約束の時が満ちるまでには、多くの場合、長い間待たされることが多い。
サライに約束通り子どもが与えられたのは、なんと、25年も後のことなのです。
アブラムは神様からの約束を信じて信仰の歩みを始めました。そして行く先々で祭壇を築いていく、つまり礼拝の歩みをしていきます。ところが、色々な困難な状況に出くわしたり、約束されたことが長い間かなえられないという信仰にとって危機的な状況の中で、神を信じきれない弱さが表面化してきたのです。不信仰から自分の命だけを守ろうとして取り返しのつかないような失敗をしてしまったり、人間的な小細工によって約束を実現しようとしたりという歩みが記されています。危機的な状況の中で、神の約束を信じきれないアブラムの弱さが現れてきたのです。
けれどもみことばによってアブラハムを多くの国民の父として選んだ主なる神様は、その取り返しのつかないような失敗の時に力強い御手をもって立ち上がって下さり、ことごとく問題を解決してくださったのです。人間的な小細工をしてどうしようもなくこじれていく人間関係の中でも主なる神は祝福を与え、問題を解決してくださいました。
アブラムが不信仰でも主なる神はいつも真実と忍耐をもってアブラムを導かれました。主なる神は何度も何度も約束を再確認させて下さり、契約を結んで下さいました。そしてアブラムに多くの国民の父という意味の、アブラハムという名前を、妻サライにサラ(いずれも女王の意)という新しい名前を主なる神が与えられたのです。
創世記
21:1 主は、約束されたとおり、サラを顧みて、仰せられたとおりに主はサラになさった。
21:2 サラはみごもり、そして神がアブラハムに言われたその時期に、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。
21:3 アブラハムは、自分に生まれた子、サラが自分に産んだ子をイサクと名づけた。
21:4 そしてアブラハムは、神が彼に命じられたとおり、八日目になった自分の子イサクに割礼を施した。
21:5 アブラハムは、その子イサクが生まれたときは百歳であった。
21:6 サラは言った。「神は私を笑われました。聞く者はみな、私に向かって笑うでしょう。」
21:7 また彼女は言った。「だれがアブラハムに、『サラが子どもに乳を飲ませる。』と告げたでしょう。
ところが私は、あの年寄りに子を産みました。」
四半世紀、25年の長い歳月の末、アブラハムが100歳、サラが90歳の時に約束の子イサクが生まれます。
忍耐が必要。しかし主の時は最善の時。
そして待たされる時は、恵みの時。それは訓練の時であり備えの時。
神が選びの器に待つという試練を与える理由は、本当に祝福の基とするため。
神の恵みと真実は、人を祝福の基に造り変える。
7:9 族長たちはヨセフをねたんで、彼をエジプトに売りとばしました。しかし、神は彼とともにおられ、
7:10 あらゆる患難から彼を救い出し、エジプト王パロの前で、恵みと知恵をお与えになったので、
パロは彼をエジプトと王の家全体を治める大臣に任じました。
主は必ず、最善の時に、約束どおりのことをなして下さる、という信仰を働かせて、主を待ち望むことが大切。
7:8 また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。
こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。
それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。
7:15 ヤコブはエジプトに下り、そこで彼も私たちの先祖たちも死にました。
7:16 そしてシケムに運ばれ、
かねてアブラハムがいくらかの金でシケムのハモルの子から買っておいた墓に葬られました。
そのための臨在と力強い導き。
アブラハム、イサク、ヤコブの神は、インマヌエルの神。神われらと共に。神は私たちと共におられる。
どこにいても、そこにいて下さる神。(家庭、職場、学校、日本、韓国、ブラジル、カナダ、フランス…)
どんなときも、共にいて下さる神。(寝ている時や起きている時、孤独な時、試練の時、悲しい時、不信仰な時)
見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。マタイ28:20
いつも。ALWAYS。どんなときも。
約束を現実のものとする力を持っておられる神。
胎を閉じたり開いたりすることの出来る神。すべてをコントロールしておられる方(すべては御手の中に)。
罪と欲望の奴隷のような状態から、解き放つ力を持っておられる神。
死人をよみがえらせる力、生き返らせる力を持っておられる神。
人を新しく作り変えることの出来る力を持っておられる神。
悪を善に、マイナスをプラスに変えることの出来る力をもったお方。
欠けある器、小さい器、土の器を祝福の基として、豊かな栄光をあらわすことの出来る神。
私たちの弱さのうちに、神の力は完全に現れる(2コリント12:9)。
12:9 しかし、主は、「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現われるからである。」と言われたのです。ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。
私たちの主イエス・キリストの御名によって、祈ります。
アーメン。
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野町 真理